施工方法
工事開始の遅延による短期間での施工

「本日、引き渡しを予定していたトンネルの引き渡しが遅延になり誠に申し訳ありませんでした!」
引き渡し検査は、トンネル工事監督員の突然の謝罪から始まりました。高速道路の工事ではトンネルや土工事の引き渡し検査が終わった後に、我々が舗装工事に取り掛かることができます。今回の工事ではトンネル工事が難航し、検査当日になって引き渡しが1カ月遅れることが判明。工程をタイトに組み直し、工事を進める必要性がありました。
建設ICTの活用による生産性向上

限られた期間で質の高い工事を行うためには、建設ICT(情報通信技術)を活用し生産性の高い施工を行う必要がありました。
当工事では、施工管理データを搭載したTS(トータルステーション)を活用し舗装の施工を行いました。TSは施工機械の走行位置座標を計測し、舗装機械の仕上り高さを自動で制御する情報通信技術です。施工後の出来形管理においてもワンマン計測で舗装の仕上り高さを測定できることから、省力化にも効果的な技術です。


路盤、コンクリート舗装、アスファルト舗装の全ての工程においてTSを活用し、効率的な施工管理を行うことで工程のロスを最小限にすることが出来ました。
従来の工程にとらわれない施工手順

一般的な舗装工事では1.路肩構造物の設置、2.路盤(舗装下層のセメント安定処理)の施工、3.アスファルト舗装の施工(3層)の順に工事を行うことが多くなります。路肩構造物等の施工は掘削から基礎の施工、構造物の据え付けと段階的に行うことから施工にある程度の日数が必要となり、その間は舗装の施工を行うことが出来ません。
今回の工事では引き渡しの遅延により、従来の工程では開通前に工事を完了することは困難であると想定されました。そこで、構造物の施工と並行して舗装の施工が行えるように、施工ブロックごとに施工の順序を検討し、構造物施工班と舗装施工班が同時に作業を進められるように工夫を行いました。その結果、工程のロスを無くし最小日数での施工を実現することができました。


