PROJECT 04 中部横断自動車道 新清水JCT
~富沢IC間北舗装工事

写真提供:中日本高速道路(株)

プロジェクト概要

静岡県静岡市と山梨県峡南エリアを結ぶ高速道路の建設工事です。福田道路は静岡・山梨県境から山梨側の9.2㎞の区間の舗装工事を受注し、2019年3月の開通を目指して施工を行いました。

工事を進める中で地元の下請け業者様、住民の方々からは「今までは大雨が降ると国道が通行止めになってどこにも行けなかった」、「高速道路が出来たら静岡・山梨がぐっと近くなる」とのご意見を頂き、中部横断道の早期開通への強い要望を感じながら、業務に取り組みました。

静岡・山梨は世界遺産である富士山を望む観光地も多く、高速道路の開通による観光客の増加も期待されています。

工事概要

発注者 中日本高速道路株式会社 東京支社
工事名 中部横断自動車道 新清水JCT~富沢IC間北舗装工事
路線名 高速自動車国道 中部横断自動車道 清水双葉線
工事場所 山梨県南巨摩郡南部町福士地先
主要工種 施工延長 L=9,200m
(土工部:1,200m、橋梁部:2,200m、トンネル部:5,800m)
舗装面積 約91,000m2
料金所コンクリート舗装 約2,000m2
連続鉄筋コンクリート舗装版 約50,000m2
工期 2017年4月~2019年4月
施工者 福田道路株式会社 東京本店

施工方法

工事開始の遅延による短期間での施工

「本日、引き渡しを予定していたトンネルの引き渡しが遅延になり誠に申し訳ありませんでした!」

引き渡し検査は、トンネル工事監督員の突然の謝罪から始まりました。高速道路の工事ではトンネルや土工事の引き渡し検査が終わった後に、我々が舗装工事に取り掛かることができます。今回の工事ではトンネル工事が難航し、検査当日になって引き渡しが1カ月遅れることが判明。工程をタイトに組み直し、工事を進める必要性がありました。

建設ICTの活用による生産性向上

限られた期間で質の高い工事を行うためには、建設ICT(情報通信技術)を活用し生産性の高い施工を行う必要がありました。

当工事では、施工管理データを搭載したTS(トータルステーション)を活用し舗装の施工を行いました。TSは施工機械の走行位置座標を計測し、舗装機械の仕上り高さを自動で制御する情報通信技術です。施工後の出来形管理においてもワンマン計測で舗装の仕上り高さを測定できることから、省力化にも効果的な技術です。

路盤、コンクリート舗装、アスファルト舗装の全ての工程においてTSを活用し、効率的な施工管理を行うことで工程のロスを最小限にすることが出来ました。

従来の工程にとらわれない施工手順

一般的な舗装工事では1.路肩構造物の設置、2.路盤(舗装下層のセメント安定処理)の施工、3.アスファルト舗装の施工(3層)の順に工事を行うことが多くなります。路肩構造物等の施工は掘削から基礎の施工、構造物の据え付けと段階的に行うことから施工にある程度の日数が必要となり、その間は舗装の施工を行うことが出来ません。

今回の工事では引き渡しの遅延により、従来の工程では開通前に工事を完了することは困難であると想定されました。そこで、構造物の施工と並行して舗装の施工が行えるように、施工ブロックごとに施工の順序を検討し、構造物施工班と舗装施工班が同時に作業を進められるように工夫を行いました。その結果、工程のロスを無くし最小日数での施工を実現することができました。

担当者の声

入社してから最大規模の大型工事 福田道路始まって以来の大規模工事の舗装主任に抜擢され、最初は戸惑いと不安で食事も喉を通らないような日々を送っていました。複雑な情報通信技術の設定や、40日にも及びコンクリート舗装等を先輩職員や下請け業者様と相談しながら進めていきました。これまでの人生で最も多くのコンクリートを打ち、最も長い距離の舗装を行い、最も長くパソコンと向き合いました。

時には鉄筋の納期が遅れたり、材料を運ぶダンプの手配がつかなかったり、下請けの職長さんに怒られたり眠れないこともありましたが、工事が終わり開通した高速道路を自分で走った時は感無量で涙が出ました。諸先輩方に支えられながらではありますが、大きな仕事をこなし、自分でも心身共に一回り大きく成長できたと感じました。

東京本店 平成30年前橋修繕(2)工事 現場代理人
渡邉元